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毎日ワクワク&しみじみ、ぎったんばったん。

北海道住まい。亜熱帯の血を持つ、寒がりライターです。

南のひとりの、女性伝。

そういえば、

祖母がこんなことを話してくれたこともありました。

 

祖母のおばあちゃん、またはもう一代上か。

 

江戸時代の、おはなしです。

 

 

当時、サトウキビがとれる南の島は、

それを年貢とする薩摩藩の圧政に苦しんでいました。

 

飢えた島民が、自分の育てたサトウキビを

ひとかじりでもすれば、役人に首をはねられる。

そんな時代だったそうです。

 

 

ある集落の長が、この現状を薩摩藩に直訴しようと

鹿児島に舟で行くといいました。

粗末な、小舟。

たどりつけるかも、わかりません。

 

息子には、みやげに鉄砲を持ってくるといいました。

奥さんには、さて、なんだったか。

 

必ずみやげを持ってくると言い残して、

男は舟に乗っていきました。

 

その奥さんの

 

子どもか孫が、

 

祖母のおばあさん、

またはその一代上に当たる人だったそうです。

 

 

 

 

男は、帰ってきませんでした。

 

舟が沈んだか。

 

薩摩で斬られたか。

 

誰にもわかりません。

 

 

男は、帰ってきませんでした。

 

 

奥さんは、海の向こうがよく見える崖の上で

 

ずっと待っていたそうです。

 

 

かつては琉球藩の影響が

濃かったこともあるその島、

 

奥さんは、丸くまげを結った琉球髪で

 

両手の甲に入れ墨をしていました。

 

その姿が、おさなごの目に

強く残っていたとか。

 

 

海はどこまでも青に緑に透き通り

 

 

太陽がすべてを赤く染めても

 

 

奥さんは

 

崖の上に立って

 

ずっと、ずっと海の向こうを見つめて

 

愛(かな)しゃ、

 

夫の帰りを

 

待っていたそうです。

 

 

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(これは北の写真ですが・・・^^;)