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毎日ワクワク&しみじみ、ぎったんばったん。

北海道住まい。亜熱帯の血を持つ、寒がりライターです。

かなしみの、落としどころ。

ひとは、だれもかなしみを持っていると思います。

 

取材をしていても、
テーマがまったく関係ないことであっても、
そのひとのかなしみが、偶然みえてしまうことがあります。

 

あるとき、うかがった、ご夫婦のお宅には
赤ちゃんの写真が、いっぱい飾られていました。

 

それは、祭壇でした。

幼くして亡くした、お子さんのようでした。

 

インタビューはまったく関係のない話で、
ご夫婦は、ともに淡々とされた方で
こちらの質問にも、分かりやすく答えてくれました。

 

その後ろの壁が、
あどけない笑顔に彩られているぶん、
かなしみのみえる居間、でした。

 

でも、わたしは、
仕事でおじゃましながらも、
ふしぎと安らかな気持ちに包まれていました。

 

 

わたしの親が生まれた南の島には、

 

「かなしい」の言葉に

「愛(かな)しい」という、意味があります。

 

古代の、やまとことばが残っているのです。

 

哀しいと愛(かな)しいは、似ています。

 

わたしが、その家で、

ふわっとした温かいものに包まれた気がしたのは、

 

このお子さんは亡くなってしまったけれども、

このご夫婦のなかで、この家のなかで、

しっかりと生きている、

悲しみよりも、そんな「愛しみ」のほうを感じたからです。

 


少しずつ、成長していった

赤ちゃんの笑顔にあふれた写真。

お気に入りだったろう、ぬいぐるみ。

 

おそらく、一緒に生活しているように

そのリビングの一角は、少しずつ

レイアウトを変えているようで。


悲しい、けれど、愛(かな)しい。

 

そんな、相手とじぶんを大切にする、

気持ちが続いていけば、

 

この世にいる、いないに関係なく、

そこには、

ひだまりのような、あたたかさが

生まれるのではないかな。

 


わずか1、2時間ご一緒させていただいたなかで

淡々とした会話のなかに、仕草のなかに

 

ご夫婦がお互いをいたわり、思いやる気持ちが

さりげなく、痛いほどに伝わってきました。


それは、きっと、

ご夫婦とお子さんの3人が

日々つくりだす、愛しい、いえだから。

 

そうですよね?

 

おじゃまさせていただきました。

ありがとうございました。

 

わたし、このご家族が、すきです。

 

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